山本
山本
山本友文さん

ビートルズの音楽が育てた日本酒と冒険心

山本は秋田の北西部に位置します。南は世界遺産の白神山地、北は青森県、そして西はゴツゴツした日本海の海岸線に接しています。冬は気温がかなり低く、大雪が降り、凍えるような風が吹きます。外で寒気が続くなかでも、蔵元はあたたかくて、フレンドリーで、リラックスした空間です。それは蔵元に流れているビートルズの曲のせいなのか、それとも社交的で音楽好きの杜氏であり、米農家でもある6代目、山本友文さんのムードを反映しているのからなのか。ここは、日本でもっとも楽しく、かわいい蔵元のひとつであることに間違いありません。

山本は1901年の創業。山本さんは、この家族経営の小さな蔵元の6代目です。普通の蔵人の仕事着をまとっていますが、従来の蔵人とはまるで違います。家業である八峰町の蔵元の頭領になる前、彼の冒険心はアメリカで機械工学を学ぶ道へ、その後には東京で、関心を持っていたもうひとつの分野、音楽プロダクションで働く道へと進ませました。

山本さんが2002年、32歳で酒造に入ったとき、会社は破産寸前でした。ただちに処置をしなければ業界にいられない状況で、山本さんはそれまでの経営方針を大きく変化させました。2007年、山本さんは酒造責任者と杜氏の二役をひとりで果たすことにより支出を低減し、自分なりに日本酒の醸造を始めました。同年に酒米の栽培(半有機栽培)を始め、秋田の品種をどう最適に酒に使用するかという貴重な経験を積みました。2010年までにはアルコールを添加する本醸造や大吟醸の生産を廃止し、純米酒のみに集中することにしました。山本酒造は2つのラベルを造っています。ひとつは昔から親しまれ続けている「白瀑」、そして自分の名を冠した「山本」という新しいラベル。両ラベルとも、自家製酒米、地元秋田の酵母、そして白神山地の薬師山から流れてくる軟水で有名な地下水を使用しています。

山本は、地元の原材料と、熟練の技と革新の調和からなり、その美しき調和は、メロディーが流れてくるような日本酒の一口一口から感じられます。

DATA
山本合名会社
秋田県山本郡八峰町八森字八森269
TEL:0185-77-2311