ゆきの美人
秋田醸造
小林忠彦さん

知恵と技術を持つ、NEXT5の先生のような存在

「酒蔵」と聞くと、醸造の長い歴史を物語る壁がある、伝統的な木材建築が真っ先に思い浮かびます。そのため、秋田醸造が大きいマンションの1階にあることには、誰もが驚くでしょう。しかしその型破りな場所は、杜氏(とうじ)でもある個性的な3代目、小林忠彦さんにフィットしています。

1919年、小林さんの祖父が現在と同じ場所で酒蔵を創業。「竿灯(かんとう)」という名で日本酒をつくっていましたが、2000年に酒蔵を取り壊し、マンションを建設。2001年に生産を再開したとき、醸造は地元の杜氏集団・山内杜氏(さんないとうじ)によって行っていました。2003年までには酒の生産にたどり着きましたが、小林さんは本当に造りたい酒が造れないことに苛立ちを感じていました。2004年、小林さんは行動力をもって杜氏の役割を自ら引き継ぎ、ラベルを現在の「ゆきの美人」に改名しました。

多くの醸造と異なり、秋田醸造の酒造り時期は不定期です。現代的な施設のおかげで、1年中酒造りができます。また、2人の蔵人さんにパートで手伝ってもらっているものの、ほとんどの酒造りは小林さん自ら行っています。一般的な大きさと比べると信じられないくらい小さな蔵元に入ると、最初に気付くことは驚くほど清潔できれいに整理されていること。これは、小林さんの生真面目で規律ある性格を反映しているのでないかと思います。知恵と技術を持つ小林さんは、NEXT5プロジェクトでともにコラボレーションしている若手メンバーにとって先生のような存在です。

DATA
秋田醸造株式会社
秋田県秋田市楢山登町5-2
TEL:018-832-2818