TONARI NO TOTOYA

  • 村上隆×村田森(となりの村田)魯山人於里遍花入.芸美革新2018-19
    村上隆×村田森(となりの村田)
    魯山人於里遍花入.芸美革新2018-19
    H287xW228xD232mm
  • 村上隆×村田森(となりの村田)魯山人於里遍花入.芸美革新2018-19
    村上隆×村田森(となりの村田)
    魯山人於里遍花入.芸美革新2018-19
    H293xW272xD249mm

この度、工芸青花主催の「青花の会 骨董祭2021」に出展することになりました。
今回出展にするのは、前々からずっと準備していた「となりのトトや」という骨董と言いますか、セカンダリーマーケットのギャラリーです。これはまだ実店舗が無いのですが、うちはお店が沢山あるので、何処かでやろうと思っています。
その「となりのトトや」というお店ををリリースすることにしました。
ご存知のように「トトや」は、千利休の一番最初の頃、お魚屋さんをやっていたという、その「トトや」から取りまして、「となりの」は、『となりのトトロ』の「となり」の名義で、いくつかのお店をやっています。

「Tonari no Zingaro」「Tonari no Otakara antique hunter」「となりの村田」などやっていますが、四つ目の「となり」の名義のお店です。
そこで出展する作品は、僕と村田さんのコラボレーション作品です。魯山人の壺をデジタルスキャニングして、それを115%に拡大出力して、出力した物を雌型に取って、そこに土を入れ込んで型を取って、さらに釉薬などを塗って、焼いて貰ったプロジェクトです。
4年程前からやっていて、2年程前に一部、完了しました。村田森さんとのコラボレーションとして、です。

「これは新作じゃないか、何故、骨董市なんだ?」ということについて、お話ししたいと思います。
正直、僕が骨董の世界に入って来たのは、自分の知らない世界がある、自分がまだ見ぬ、可能性のある世界がある、ということで入っていきました。
最初のうちは、民藝などに出会って楽しかったのですが、大体、10年ぐらいして、自分の中で「もう終わっちゃったな」と思いました。理由はすごく簡単で、業界全体がまだ気が付いていないかもしれないな、と思うことなんですけれども、昭和は1980年代のバブル経済直前位まで、たぶん骨董って、大ブームだったと思います。それの理由は、「発見」だったと思います。新しい価値観の発見と、歴史を接続した時に見えてくる風景が、その都度新鮮だったので、骨董がブームだったと思います。
その時代、今とは何が違うかというと、インターネット社会がないために、情報流通が非常に遅かった。そのために、お店が情報発信基地になっていたということが、一番の原因だったと思います。
で、今インターネットの社会においては、その発見が、自力で文脈を構築できて、そんなにびっくりするような新発見は無くなってしまって、興奮度が落ち着いてきたのではないかと思います。

では、もう一度、村上のこのプロジェクトは、なぜ骨董祭に出展されなければいけないのかというと、一つ目は、魯山人の器、壺をコピーしたこと。しかしその魯山人は、もともと、信楽の自分が選んだ壺を、いいと思ってそれを石膏型にとって、そこから自分の作品として作り上げたと。つまり、私と村田森さんの作品は、孫コピーなんですね。孫コピーの作品というものは、一体、どういった価値があるのかと。私の、これは作品として提案したいと思っております。

これは、価値とは何か、あとその良さとは何か、ということに由来していて、僕的には最近、非常に熱心に関わっているNFTアートと、非常に近しい問題意識だと思います。

<村上隆NFT instagram記事>
https://www.instagram.com/p/CNBz4Dll89x/?igshid=d2qu0yyiv9dm

人間の認知能力は、先ほどのインターネットによって、明らかにスピードアップして、かつ、認知領域が広がった時に、まだ見ぬ認知領域とは何かということにおいて、所有するであるとか、価値を考えるということも、次のフェーズに入ってきたと思います。

しかし、次のフェーズと言っても、そんなに大それた事ではなくて、人間がある時、印刷技術を手にして、兌換紙幣を作った時だったりとか、例えばキャッシュカードを作った時だったりとか、株式会社のシステムを作った時だったりとか、社会が、信認に足る価値観の創造という事に関わっています。

特に芸術においては、その価値観の新規創造というのが、印象派以降、急激に加速してきており、その極地が現代美術の作品だと思っています。村上隆の作品が、日本人に嫌われるのは、認知領域の共有ができていないからだと思っていますが、ここ最近の日本での現代美術ブームは、ネット産業にいる方たちのコレクションに、かなり依拠しております。
つまり、彼らは認知領域の飛躍というものが、実際、自分達の仕事の中で行われているという意味において、新しい富裕層が、そういったネット産業に関わっている事が、一番重要じゃないかと思います。

今後、仮想通貨が益々リアリティを帯びて、ここ数年で実体経済に食い込んでくる時に、価値観そのものも退転していく、そんな中で新しい美の概念、温故知新というものが、どういった形で、過去、現在、未来へ繋がっていくのかという、そういった美の時の旅人が、今回のこの作品だと思っておりますので、是非とも、イマジネーションに乗っかって僕らの作品を見て下さい。これは、その意味で一番最先端の骨董であると言いたいと思います。

となりのトトや
青花の会 | 骨董祭 | 2021

2021年6月5日(土)
OPEN 10:00~20:00
√K Contemporary
東京都新宿区南町6
<イベント会期中に行われる講座>
講座 | 工芸と私51 | 村上隆
骨董的文脈の概念芸術
日時……2021年6月5日(土)15時半‐17時■開場15時
https://shop.kogei-seika.jp/products/detail.php?product_id=600
となりのトトヤ
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Company Information

会社概要

会社名 有限会社カイカイキキ
代表者 村上 隆
設立 2001年 4月20日

Business Summary

事業内容

主軸事業
  1. アート作品販売
  2. アーティストのマネジメント・ブランディング
  3. 展覧会・イベント開催

上記各号に付帯する一切の業務。