新政
新政酒造
佐藤祐輔さん

江戸と現代を融合した「ネオ・クラシカル」な醸造家

新政酒造は、江戸時代後期(1852年)創業。酒造名は、明治政府が施策の大綱とした「新政厚徳(しんせいこうとく)」の名称から由来しています。「厚き徳をもって新しい政(まつりごと)をなす」という意味だそうです。当時、秋田は東北地方の中で明治革命に賛同した唯一の県でした。「新政」は、新世代の日本酒醸造の最先端であるこの酒蔵に、ぴったり な名前です。

新政が有名になったきっかけは、1930年に発見された6号酵母。現存する、業務用で使用されているもっとも古い酵母です。しかし現在、より広くその名前が知られるようになった背景には、8代目佐藤祐輔さんの存在があります。佐藤さんのもとで、新政は大きく変化しました。佐藤さんが2011年に社長になってから数年の間に、それまでも評判だった醸造所は、市場でもっとも注目される酒のプロデューサーとして知られるようになりました。佐藤さんは、純粋な秋田の地酒をつくるビジョンを持つ熱心な醸造家です。それは地域のテロワールだけでなく、現代の影響も受けプロデュースされています。

理想的な日本酒に到達するため、佐藤さんは大胆な変革を行いました。経済的に大きなリスクを伴うにもかかわらず、3分の2以上を減産。純米酒だけに絞り、品質向上に集中しました。また、醸造にほかの地域の米の使用をやめ、地元の原材料だけを選んでいます。米の種類、水、6号酵母という秋田の素材によって、地域のテロワールをよりよく表現しています。

佐藤さんは新政が造っているすべての日本酒の醸造のために積極的に活動しています。なかでも特徴的なのは、新政のすべての日本酒が伝統的な生酛(きもと)技法でつくられていることです。この、江戸時代の労力がかかる日本酒醸造法と、現代の最高の革新との組み合わせによって、表情のある、上品で現代的な風味の日本酒をつくる方式は「ネオ・クラシカル」とも言えるでしょう。長時間にわたる作業を通して、佐藤さんは、いまや新政の代名詞となった、水々しくユニークな酸味を実現しました。

DATA
新政酒造株式会社
秋田県秋田市大町6-2-35
TEL:018-823-6407