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GEISAI大学第4シーズン講師 濱野智史さんをご紹介します。

GEISAI大学第4シーズン講師 濱野智史さんをご紹介します。

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(GEISAI#14 の「GEISAI大学出張版! GEISAI CRITICAL MEDIA ブース」にて、
作品を講評中の濱野さん。)


濱野智史
(批評家・日本技芸リサーチャー)
1980 年生。
株式会社日本技芸リサーチャー。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了、
国際大学グローバル・コミュニ ケーション・センター研究員を経て現職。
専門は情報社会論。
特にウェブサービスのアーキテクチャ分析を中心的に手がける。
著書に『アーキテクチャの生態 系』(NTT出版、2008年)、
主な論文に「ニコニコ動画の生成力」(『思想地図vol.2』NHK出版、2008 年)など。
http://twitter.com/hamano_satoshi



GEISAI#14でも、「GEISAI大学出張版! GEISAI CRITICAL MEDIA ブース」に
審査員として参加された濱野さん。
お忙しい中、今回の講義の内容を御送り下さいました。
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(GEISAI#14 でのGEISAI 大学出張版!on stageでの審査員の皆さん。濱野さんは右から3番目。)



情報環境の設計とその設計者をめぐって
Round About Architecture With Architects


 本講義のテーマは、筆者が専門としている「情報環境(アーキテクチャ)」の、
とりわけ「設計者(アーキテクト)」に光を当てることにある。
 筆者は拙著『アーキテクチャの生態系』のなかで、2000年代に普及した
「2ちゃんねる」「Winny」「ニコニコ動画」といったインターネット・サービスを取り上げ、
それらの基本的な設計構造を分析しながら、あたかもそこに「通奏低音」(丸山眞男)のように
見出される日本特殊性の問題について考察を行った。同書では、その設計を手がけた
アーキテクトの側に着目することはしなかったのだが、今回はあらためて、
こうした日本特異の情報環境をつくりあげてきた設計者にスポットライトを当ててみたい。

 しかし、いまここで、なぜアーキテクチャのアーキテクトについて論じるのだろうか。
以下では、簡単に文脈を補足しておきたいと思う。
 近年、若手批評家たちが大きな関心を寄せているトピックの一つに、
ネットワーク社会における「作家性」の問題がある。というのも、「2ちゃんねる」でも
「ニコニコ動画」でも「ケータイ小説」でもよいのだが、とりわけ日本のネット空間は
匿名性が高いことで知られており、そこでは無名・無数の作家たちの手によって、
日々膨大な数の作品群が自然増殖するかのように生み出されている。作家性という人間的
なものはますます希薄化し、その一方で「動物化」(東浩紀)はちゃくちゃくと進行する。
これが2000年代のネットワーク社会の光景だったといっても、そうあながち間違いではないだろう。

 こうした状況に対する、批評家たちの判断はさまざまだ。もちろん、そうしたネット上に
溢れる有象無象の作品群は、単に強度を欠いた退屈なものでしかないというのが大方の
見解であろう。しかしその一方で、ネットワーク社会における「作者」や「作品」のあり方を
探求する試みもある。
たとえば福嶋亮大(4/2 講義)であれば、かつて構造主義者たちが用いた「神話」という
概念装置を現代に蘇らせることで、あるいは黒瀬陽平(4/16講義)であれば、マンガ・アニメ・
ゲームの世界に潜在的に反復される「情念定型」の存在に着目することで、それぞれ文学/芸術の
基本単位(モジュール)をめぐる問いをアップデートしようと試みている。

 これに対し、筆者の立場はどのようなものだろうか。おそらく一部の読者からは、
筆者はネットワーク社会における「作者の死」を高らかに主張している論者だと目されている。
というのも、筆者は『思想地図Vol.2』に寄せた論文のなかで、ネットワーク社会においては
人間主体の「創造力」から環境主体の「生成力」こそが重要になると指摘し、
そのケーススタディとしてニコニコ動画の分析を行った。そこでの結論は、ニコニコ動画の
タグのシステムこそが、「作者性(Authorship)」なるものがこれまで果たしてきた
機能を代替的に実現しているということだった。

 確かに、これは「作者の死」の宣言に見えるかもしれない。
しかし、筆者の狙いはまた別のところにある。それはすなわち、ニコニコ動画のような
アーキテクチャこそがネットワーク社会における新たな「作品」のなのであり、その「作者」
とは果たして何者なのかを明らかにするということ、これである。
 この問題意識を、より具体的に次のように表現していくことができる。
ここでは詳論する余裕はないが、『思想地図Vol.3』所収の共同討議で筆者が用いた言葉を
使えば、「永遠のベータ版」として更新され続ける情報環境のデザインにコミットしつづける、
「切断」なきアーキテクトの姿とはどのようなものなのか?
それはネットワーク社会における「権力者」や「管理者」や「エリート」といった、
従来型のイメージの枠内に留まるようなものなのだろうか?
あるいは、基本的には米国発となるインターネット・サービスを、日本独自のものに
作り変えていくアーキテクトたちの視座は果たしてどこにあるのか?
筆者のこうした問題意識はまだまだ未成熟なものであり、当日、どこまでうまく分析
したり表現したりできるかは心もとないのだが、できる限り具体的な事例を参照しながら
迫っていくことができればと考えている。



濱野さんの著書、「アーキテクチャの生態系」は、

『ウェブから生まれた新世代の社会分析。
本書ぬきにニコニコ動画は、そして日本社会は語れない。』
と東浩紀さんが帯文を寄せるだけあって、
大変評価の高い良書!

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アーキテクチャの生態系——情報環境はいかに設計されてきたか
濱野 智史 (著)



福嶋亮大さん、濱野智史さん、黒瀬陽平さん、と、
鮮やかに日本の今を捉え読み解く、
新進気鋭の論客達の、
刺激的な講義をお見逃し無く!


福嶋亮大さんの講義内容
http://www.kaikaikiki.co.jp/news/list/geisai_fukushima/

黒瀬陽平さんの講義内容
http://www.geisai.net/gt2/school/newspage.php?id=24


講義のお申込みはこちらから!
http://www.geisai.net/g14/form_daigaku/

皆様ふるってご参加ください!

 

 

【GEISAI大学 第4シーズン 開催概要】

■第4シーズン
開催日時:
2010年
4月2日(金) 福嶋亮大(文芸批評家・中国文学者)
4月9日(金) 濱野智史(批評家・日本技芸リサーチャー)
4月16日(金) 黒瀬陽平(美術家、評論家)


開催時間:19時00分~20時30分
※時間は変更となる場合があります。

受講料:1回 3,000円 / 3回セット 7,500円

・申し込み方法:下記のお申込フォームからお申込み下さい。

・お申し込みフォーム
http://www.geisai.net/g14/form_daigaku/

※ドメイン指定をされている方は、info@geisai.netを受信出来るようにお願い致します。
※返信は長文になりますので、携帯電話のメール受信制限は解除をお願い致します。
※各回ごとに締切日が異なりますのでご注意ください。
※定員数に達した場合は、キャンセル待ちの受付とさせて頂きます。

開催場所:Kaikai Kiki Gallery
〒106-0046 東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビル B1
○バス:都営バス橋86 (目黒駅前 - 新橋駅前) 愛育病院前下車、徒歩2分
○電車:地下鉄広尾駅 (日比谷線)下車(1番出入口)、徒歩8分       
地下鉄麻布十番駅(南北線/大江戸線)下車、徒歩10分
※駅から会場まで距離がございますので、お気をつけ下さい。


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